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ジャパンヴィンテージギターに関するまとめ

日本のすごい昔のギター「ジャパンヴィンテージ」

1970年代の終わりごろから80年代にかけて、日本で作られたギターは「ジャパンヴィンテージ」とよばれて、今でもとても人気があります。この記事では、どうして人気があるのか、どんなギターがあったのかを、わかりやすく紹介します。

ジャパンヴィンテージが生まれた理由

どうして「ジャパンヴィンテージ」は人気になったのでしょう?そのころのアメリカと日本のギター作りを見てみましょう。

アメリカの有名ギターに起きていた変化

1970年代、アメリカの有名なギターメーカー「フェンダー」と「ギブソン」は、作り方が少し変わってきていました。会社が大きくなり、ギターをたくさん作ることを一番に考えたため、昔ながらの作り方とはちがう部分が出てきました。例えば、ネックの取り付け方や、ボディの木材の組み合わせが変わったりしました。その結果、昔のギターの音や形が好きだった人たちの中には、少しがっかりしてしまう人もいました。

日本のすごいギター工場

ちょうどそのころ、日本のギター工場は、ものすごく技術が高くなっていました。アメリカのギターをしっかり研究して、本物そっくりに、ときには本物以上に良いギターを作る力がありました。そんな日本の工場の中から、代表的なものをいくつか紹介します。

富士弦楽器製造 (フジゲン)

「新しい機械で、いつも同じ良い品質」
グレコやアイバニーズという有名なギターをたくさん作っていた工場です。新しいコンピューターで動く機械(NCルーター)を世界で初めて使って、ギターをとても正確に、そしてたくさん作れるようにしました。その技術がすごかったので、本物のアメリカのフェンダー社から「うちのギターも作ってください」とお願いされるほどでした。

マツモク工業

「職人さんの技と、かっこいいデザイン」
アリアプロIIというブランドのギターを主に作っていました。新しい機械の正確さと、職人さんの丁寧な手作業を組み合わせて、品質が良くてかっこいいギターをたくさん生み出しました。ただのまねっこではない、オリジナルの工夫がたくさんありました。

東海楽器製造 (Tokai)

「ぜんぶ自分の工場で。だから品質に自信」
ほかの会社のギターを作るのではなく、「Tokai」という自分のブランドだけで勝負したメーカーです。木を選ぶところから、最後の組み立てまで全部自分の工場でやっていたので、とても品質が高いギターを作ることができました。

ダイナ楽器 (Dyna Gakki)

「どんな注文にもこたえる、器用な工場」
フェルナンデスや、後のフェンダー・ジャパンなど、たくさんの会社のギターを作っていた工場です。いろいろな種類のギターを、安定して上手に作ることができたので、多くの会社から信頼されていました。

河合楽器製作所 (Kawai)

「ピアノ作りでみがいた技術と、面白いアイデア」
ピアノで有名な会社ですが、昔からエレキギターも作っていました。ちょっと変わった面白いデザインのギターが多く、フェルナンデスの一部のギターも作っていました。日本のギター作りの歴史を語る上で大切な会社です。

主なメーカーとギターの紹介

ここでは、特に人気があった1981年ごろのギターを、お手本にした「フェンダー」のタイプと「ギブソン」のタイプにわけて紹介します。当時の値段や、どんな材料でできていたかを見てみましょう。

フェンダータイプのモデル

Greco (グレコ)

モデルタイプお手本ネック材ボディ材塗装値段(円)
SE800ST’54 ストラトメイプルセン 2枚ラッカー80,000
SE600ST’57 ストラトメイプルセン 3枚ポリウレタン60,000
SE500ST’62 ストラトメイプル/ローズアルダー 3枚ポリウレタン50,000
TL500TE’52 テレキャスメイプルアッシュ or センポリウレタン50,000

特徴: 日本で昔のギターをまねて作る競争がはじまったとき、中心にいたのがグレコでした。特に「Super Real」というシリーズは、フジゲンという工場で作られていて、とても作りが良かったことで有名です。高いモデルには良い木が使われ、本物のアメリカ製ギターと同じくらい、またはそれ以上にすごいと言われていました。

Tokai (トーカイ)

モデルタイプお手本ネック材ボディ材塗装値段(円)
ST-100ST’54 ストラトメイプルセン 1〜2枚ラッカー100,000
ST-80ST’54 ストラトメイプルセン 2枚ラッカー80,000
ST-60ST’58 ストラトメイプルアルダー 2枚ポリエステル60,000
ST-60RST’62 ストラトメイプル/ローズアルダー 2枚ポリエステル60,000
ST-50ST’58 ストラトメイプルアルダー 3枚ポリエステル50,000
TE-80TE’52 テレキャスメイプルアッシュ 2枚ラッカー80,000
TE-50TE’52 テレキャスメイプルセン 2枚ポリエステル50,000

特徴: 木を加工する技術がとても高く、昔のギターをよく研究してそっくりに作っていたので、世界中で有名になりました。「Springy Sound」というシリーズは、名前の通り、とても気持ちのいい昔ながらの音が出ると人気でした。

Fernandes (フェルナンデス)

モデルタイプお手本ネック材ボディ材塗装値段(円)
RST-80 (’54)ST’54 ストラトメイプルアルダー 2枚ラッカー80,000
RST-80 (’59)ST’59 ストラトメイプル/ローズアルダー 2枚ラッカー80,000
RST-50 (’57)ST’57 ストラトメイプルアルダー 3枚ウレタン50,000
RST-50 (’64)ST’64 ストラトメイプル/ローズアルダー 3枚ウレタン50,000
RTE-60TE’54 テレキャスメイプルセンウレタン60,000

特徴: 「The Revival」シリーズで有名になりました。河合楽器や東海楽器といった工場で作られていたと言われています。ロックを演奏するギタリストに特に人気で、しっかりした作りと力強い音が好まれました。いろいろな年代のギターをお手本にしていたので、種類が豊富なのも魅力です。

ストラトの上位モデルとレギュラーモデルの違いはメイプル指板の54モデルと57モデルで判別しやすいです。ざっくり言えば、ヘッドの角が丸いものが54モデルで上位モデル扱いです。ストリングガイドの形状が丸いものが上位モデルの証ですが、57モデルのストリングガイドを丸型に交換して高く見せている悪い人もいるので、ヘッドの形状でまずは判別しましょう。

59モデルと64モデルは、59モデルのほうが上位モデルですが、見た目で判断しづらいです。指板がスラブのものが59で、ラウンドのものが64なのでヘッドのメイプルとローズの付け根で判断しましょう。ヘッド側に丸いものがスラブ指板で、指板側に丸くえぐれているのが64ラウンド指板です。

Fender Japan (JVシリアル期)

モデルタイプお手本ネック材ボディ材塗装値段(円)
ST57-115ST’57 ストラトメイプルアルダーラッカー115,000
ST62-85ST’62 ストラトメイプル/ローズアルダーポリエステル85,000
TL52-95TE’52 テレキャスメイプルアッシュラッカー95,000

特徴: 日本のギター作りの技術が、本家のアメリカのフェンダー社に認められた証です。一番最初のころのモデル(JVシリアルと呼ばれます)はフジゲンで作られていて、高いモデルにはアメリカ製の部品が使われるなど、とても豪華な作りでした。今でも特別なギターとして、とても人気があります。

st62-85などのミドルクラス以上はボディ材がアルダーやセン、アッシュなどでしっかりしてますが、ST62-55などはボディ材がバスウッドなので塗装もかなり分厚くたとえEシリアルなどであってもあんまり良くないです。バスウッドが悪いというよりも、明らかに下位モデルだから経費削減されたような感じがしていてバスウッドも選定されているわけではないと思います。

ギブソンタイプのモデル

Greco (グレコ)

モデルタイプお手本ネック材ボディ材塗装値段(円)
EGF1200LP’59 レスポールマホガニーメイプル/マホガニーラッカー120,000
EG800LP’58 レスポールメイプルメイプル/マホガニーポリウレタン80,000
SA900ES-335’59 ES-335マホガニーメイプルラッカー90,000
SS600SG’61 SGマホガニーマホガニーポリウレタン60,000

特徴: ギブソンタイプのギターでも、グレコはそっくりに作る技術がとても高かったです。「Super Real」シリーズのレスポールモデルは、きれいな木目や「Dry Z」という伝説のピックアップ(音を拾うマイク)が使われていて、昔のギターが好きな人たちを驚かせました。

Tokai (トーカイ)

モデルタイプお手本ネック材ボディ材塗装値段(円)
LS-120LP’58 レスポールマホガニーメイプル/マホガニーラッカー120,000
LS-80LP’58 レスポールマホガニーメイプル/マホガニーラッカー80,000
LS-50LP’58 レスポールマホガニーメイプル/マホガニーポリエステル50,000
ES-100ES-335’59 ES-335マホガニーメイプルラッカー100,000
SG-60SG’62 SGマホガニーマホガニーポリエステル60,000

特徴: 「Love Rock」という名前で売られていたレスポールモデルは、今でもすごく人気があります。昔のギターの形や、ネックの取り付け角度などを細かく研究して、自分の工場で丁寧に作っていました。

Burny (バーニー)

モデルタイプお手本ネック材ボディ材塗装値段(円)
RLG-90LP’59 レスポールマホガニーメイプル/マホガニーラッカー90,000
RLG-50LP’59 レスポールマホガニーメイプル/マホガニーポリエステル50,000
RSA-100ES-335’59 ES-335マホガニーメイプルラッカー100,000
RSG-50SG’62 SGマホガニーマホガニーポリエステル50,000

特徴: フェルナンデス社のギブソンタイプ専門ブランド。ロックバンドのギタリストがたくさん使っていたことで有名です。特にRLGというレスポールモデルは、見た目も音もかっこよくて大人気でした。L-8000やVH-1という、評価の高いピックアップが付いているのもポイントです。

Orville by Gibson (オービル)

注: オービルは1988年に登場したブランドなので、ここで紹介している他のギターより少し新しいですが、本物のギブソン社が「うちの名前を使ってもいいよ」と認めた、とても品質の高い日本製のギターです。

モデルタイプお手本ネック材ボディ材塗装値段(円)
LPC-75LPレスポールカスタムマホガニーメイプル/マホガニーポリウレタン75,000
LPS-57CLP’57 レスポールマホガニーメイプル/マホガニーポリウレタン70,000
SG-65SG’62 SGマホガニーマホガニーポリウレタン65,000
ES-335ES-335’59 ES-335マホガニーメイプルポリウレタン90,000

特徴: ギブソンを作った人の名前(オーヴィル・ギブソン)がつけられた、特別なブランドです。日本で作られていましたが、ギブソンのお墨付きなので、安心の品質でした。高いモデルにはアメリカ製のピックアップが使われていました。

ジャパンヴィンテージを買うときのポイント

古いギターを買うのは少し難しいこともあります。ここでは、ジャパンヴィンテージのギターを買うときに、どんなところに気をつけたら良いかを紹介します。

どうして昔のギターは良い音がするの?

ギターに使われている木は、時間がたつと中の水分がぬけて、かたくしっかりしてきます。そうすると、音がよく響くようになります。また、音を拾うマイク(ピックアップ)の磁石の力が、少しずつ弱まることがあります。すると、音がクリアになって、きれいな響きに聞こえることがあります。これが、昔のギターの「良い音」の理由のひとつです。

最近の値段と注意すること

最近、ジャパンヴィンテージのギターは、その良さが見直されて値段がとても上がっています。外国の人がたくさん買っていくので、日本で買える良いギターが少なくなっているのも理由です。「将来もっと値段が上がるかも」と思って買うのは、少し注意が必要です。ギターは大切に保管したり、ときどき修理したりするのにもお金がかかるからです。

買う前にチェックすることリスト

  • 本物かどうか、部品は交換されていないか: シリアルナンバー(ギターの番号)やロゴの形を見て、作られた年と合っているか調べましょう。ピックアップやブリッジなどの大切な部品が、作られたときのままのオリジナルかどうかも値段に関わるので、大事なポイントです。
  • ネックの状態: ギターのネックは一番大事な部分です。曲がったり、ねじれたりしていないか、いろいろな角度から見てみましょう。ネックの中には鉄の棒(トラスロッド)が入っていて、これで曲がりを直せます。この棒がちゃんと動くかどうかも、とても大切です。
  • フレットの状態: 指で弦をおさえる金属の部分をフレットといいます。フレットがたくさんすり減っていると、弾きにくかったり、修理にお金がかかったりします。
  • 電気系統と金属パーツ: もしお店で弾けるなら、アンプにつないで音を出してみましょう。音量を変えるつまみを回したときに「ガリガリ」という雑音が出ないか、スイッチはちゃんと切り替わるかなどをチェックすると安心です。