1980年代前半に始まったチューブスクリーマーの歴史の中でも、ごく僅かな時期にのみ製造されていたレアなペダルを入手したのでご紹介いたします。
Ibanez ST-9 Super Tube Screamerです。TS-9の後継機のような形で1983年ごろから販売されていたモデルのようですが、ごく短期間で製造中止されています。人気なかったんですかね。
個人的に、コントロールノブが4つあるのは構図的にあまり美しくないように感じるのと、調整がややこしいように見えて不評だったのかと思ってます。
サウンドは非常に魅力的で、見た目はTS-9に似てますが傾向はかなり違います。
中身を見ればわかりますが、心臓部のオペアンプが2つ使われています。今では貴重なJRC4558Dの艶有りです。
代わりにTS系で王道のインプット・アウトプットバッファに使われていたトランジスタが撤廃されてます。トランジスタは電子スイッチ部分のみです。
トランジスタは2SC1815BLです。スイッチのFETは2SK44が使用されています。
サウンドかなりストレートなニュアンスで、TS系特有のこもった感じはありません。ナチュラルにアンプのボリュームを稼いでくれます。
TS系のようにしたいときはDriveノブを上げると近い感じにはなります。
特徴的なのはTS-9にはないMID BOOSTが増設されてるところです。かなり独特で細かい効きなので、ソロ時のブースト調整に役立ちそうです。