1981年製と思われる、ヴィンテージ「Ibanez TS808」を入手いたしました。管理人過去最高額の取引金額でしたが、ご厚意もいただき市場よりもお安いお値段で譲っていただきました。
伝説のテキサスブルースマン、Stevie Ray Vaughan(スティービー・レイ・ヴォーン)が所有し1990年に事故で亡くなるまで愛用し続けたTS808と同じ仕様です。
2019年1月現在、デジマート等を見てみると、JRC4558D艶ありが搭載されたヴィンテージTS808が15万程度で販売されていますが、本機はマレーシア製RC4558Pが使用されたレアな個体です。
製造から40年近くたっている割には非常に綺麗でコンディション素晴らしいです。この時代のIbanezは主に海外輸出向けに作られたブランドで、国内では「MAXON」名義のブランドで販売されていました。
つまり、管理人が手に入れたIbanez TS808は一度海外へ輸出されてから購入・使用された後逆輸入を経て日本に戻ってきた個体になります。
シリアルは「1313XX」です。
オペアンプは人気のRC4558Pのマレーシアンチップです。
管理人が所有している個体のRC4558Pには「AC」と記載がありますが、さらにレアな個体には「A」のみや「AEC」の刻印がされているそうです。
時期にもよりますが、JRC4558Dの艶ありやTL4558PやNEC C4558Cなどのオペアンプが使用されている個体も存在します。
JRC4558Dが一番出荷数が多いように感じます。
参考 Ibanez Tube Screamer HistoryAnalog Man Vintage guitar effects
ヴィンテージTS808の中でも、文字印刷が微妙に違ったり、外部電源端子にナットが付いている個体も存在します。
管理人が所有しているモデルはIbanezのロゴに(R)が付いており、コントロールノブにメモリが付いていない個体です。
製造時期によって外装に変化はありますが、外装によって内部部品、特にFETとオペアンプに整合性があるかと言われればあまり関係ないようです。
はんだづけを近年された後もありません。フルオリジナル。
Ibanez(星野楽器)がMAXON(日伸音波製作所)に製造を委託していた証拠となる、基板に印字された「MAXON」文字です。
FETは2SK44が搭載されています。2SK121や2SK30が搭載されていた個体も存在します。
インプットとアウトプットバッファ等に使用されているトランジスタは2SC1815GRです。TS9のヴィンテージ及び現行品にはBL(ブルーランク)が搭載されているのでなぜグリーンランクが使われているかは不明です。
電解コンデンサに「8046」と4桁の数字が印字されていますが、これは「1980年の46週目」に製造されたコンデンサであることを表しています。
かなり年末ですので、コンデンサが製造されてからすぐ本個体の製造が行われたとは考えにくいので、恐らく1981年製としています。TSシリーズはシリアルから製造年数を把握できないです。
チューブスクリーマーブラザース。左から今回ご紹介したTS808、現行のTS808、ヴィンテージMAXON OD9、現行のTS9です。
TS808を比較すると、ヴィンテージのほうが深い緑な塗装なことがわかりますね。
一生モノのチューブスクリーマーです。