あまり有名ではないですがエレクトロハーモニクス社が1970年代-80年代まで製造していたコンプレッサー、「Black Finger」をご紹介します。
本機の特徴としては、同時期に製造されていたROSSコンプレッサーやMXR DYNA COMPと似た回路を持ちつつも、電池を2つ使用して動作していることです。
電池を2つ直列につないで18V電源を実現しているわけではなく、プラス9Vとマイナス9Vの正負電源を使用することによって動作させています。
そのため、コンプレッション感はROSSやDYNA COMPに比べると非常に強くパコパコサウンドが楽しめます。
サステインがのびるというよりは、リミッター的なコンプレッションですね。
見た目もインパクトありますね。いかつく、イラストもファズ何じゃないかと勘違いさせてくれますが、ちゃんとコンプレッサーです。
弱点としては、この時期のエレクトロハーモニクス社製品に共通して言えることですが、「ノイズが多い」ことです。
しかし、このノイズも味に思えるくらい、コンプレッション感あるのでバッキングでカッティングしてファンキー!なくらいには気にならないでしょう。
電源はスイッチ式です。現代エフェクターのように、シールドを差し込むと電源が入る仕様ではないので、スイッチオンのまま忘れて電池がなくなってしまったなんてこともあるかもしれません。
外部9Vアダプタージャックもこの時期のエフェクターは搭載されておらず、電池を2つ使うのはコスパ悪いなと管理人は考え、、、
正負電源をチャージポンプICを利用して、外部の9Vアダプターから電源供給できるようにしました。
電池のほうが出力が強い気がしますが、そのぶんノイズも少しマシになるので、一長一短でしょう。
ちなみに電源スイッチがDPDTスイッチになってたので、オフ時に余っていた回路に電源ユニットを入れているので、今までどおり電池も使用できます。
ついでにスイッチも調子悪かったので、3PDTスイッチでトゥルーバイパスにしています。
ICは横からで恐縮ですが、RCA製のCA3080が使用されています。缶タイプはかっこいいですね。ハイが強く出る傾向があります。ノイズもですが。
管理人が追加した正負電源ユニットを含めて、非常にダイナミックな構造です。
現在では、本機と同じ回路は製造されていませんが、同じ「Black Finger」名義で別回路のコンプレッサーがリリースされています。